スペインの大学院入学までの流れ
忘れないうちにスペイン大学院入学までの流れをここに記しておきます。
大学院に正規の学生として入る場合です(聴講生は含みません)。
(特にセビリア大学美術学部大学院の場合)
まず、アンダルシーア州にある大学の入学試験は全てアンダルシーア自治区のホームページ(DISTRITO UNICO ANDALUZ)からオンラインで仮登録(Preinscripción)を行う必要があります。大学院に直接、入学したいからお願い致します!等の手紙などを出しても効果はありません。
オンラインでは幾つかの書類をPDFで提出します。私が行った2014年は以下のような書類でした。
1.日本の大学の学部の卒業証明書
2.日本の大学の学部の成績証明書(それぞれの講義の単位取得の年が明記されたもの)
3.パスポートのコピー
4.高いスペイン語力を持っていることを証明する書類(DELEや語学学校のdiplomaなど)
5.履歴書
6.研究計画書
7.ポートフォリオ(約10作品、規定のフォーマットをダウンロード)
パスポートのコピー以外、全てスペイン語に翻訳されたもの、スペイン語で書かれたものが必要です。(この時は公的に翻訳されている必要はありません。)
外国人枠、スペイン人枠、両者枠はそれぞれ申請の期間期日が定められていますのでそれぞれチェックが必要です。
申請後、しばらくして合否の結果がメールで届きます。
そこで合格しており、進学を決定すれば、約600ユーロを大学の事務局宛に国際送金します。
そして次に出国までに行わなければならないのは上記提出した書類1、2、そして ※日本の学部で取得した単位数が日本国内の大学院に進学するために十分な取得数を満たしていることを証明する証明書の原本三つとそれぞれを公的に翻訳したものを用意しておかなければなりません。また3のパスポートのコピーも公正なコピーであることを証明しなければなりません。
翻訳は国から認められた翻訳家に依頼すれば良いですが高額になります。そこで自力で翻訳したものをスペイン大使館で翻訳認証してもらうことで同等の効果を得ることができます。有料ですが、翻訳家に依頼するよりは経済的です。3のパスポートのコピーもコピー認証してもらえます。
しかし大使館で翻訳認証する前に原本の書類が公的であることを証明するために外務省の印鑑が必要になります。1日で印鑑をもらえるので、大使館に行く前にまず、書類の原本を外務省に持って行きます。
ここでの問題は ※日本の学部で取得した単位数が日本国内の大学院に進学するために十分な取得数を満たしていることを証明する証明書 です。一般的にこのような書類は日本の大学には存在していません。そこで大学の事務局で特別に作ってもらう必要があります。しかしスペイン語で作ってくれと言っても難しいので、あらかじめ自力でスペイン語で作り、そこに大学の事務局長のサインとハンコを押してもらう方法が手っ取り早いです。この書類のテンプレートもスペインの大学のサイトからダウンロードできます。
これらはスペインの大学の事務局(Secretaría)に直接提出しなければならないので、渡西する前に揃えておいたほうが良いです。もし不備があれば日本にいる家族に頼む必要が出てくるでしょう。
以上が日本国内ですべき事項です。
さて、現地では先ほどの書類を直接手渡しします。そして同時に講義の履修登録(Inscripción)を行います。
スペインは例えば1単位=30ユーロというように設定されているので、取得する単位に伴って授業料が決定されます。私の場合は修了に必要な60単位で2600ユーロ程支払いました。この際、事前に国際送金した600ユーロが差し引かれました。
以上がスペインの大学院で勉学に励む前に必要な書類、金銭的雑務の流れです。
中々大変です。この過程でもそこそこのスペイン語力がどうしても必要になってきます。留学を目指すにはやはりその国の言葉を事前に学んでいなければなりません。